歌の上手さを考える時に、
「音程がいい」
ということは絶対条件と言ってもいいと思いますが、
これは以前「音痴って治るの?」にも書いたように、とても高度なテクニックです。
(特にトレーニングしないのに、生まれつき音程のいい人については、また別な機会に書きますね。)

今日は、低い音域はピッチ(音高)がいいのに、高い音域になると下がってしまう人のお話を。
原則的なことを言えば、低い音より高い音の方が、「的が小さい」ので、当てるのが難しい、
ということになります。
ギターのフレットを思い浮かべて頂ければいいのですが、

低い音域より高い音域の方が、フレットの幅が狭くなっていることがわかりますよね。
ボーカルやバイオリンにはフレットがありませんので、その分ジャストに当てるのが難しいのです。
高音は低音よりたくさん練習が必要だということはおわかり頂けたと思います。

が!
今日の話題はそこではありません。

時々「幼い頃から楽器を習っていたので絶対音感を持っている」という人がいらっしゃいます。
たいていそういう方は、耳もいいので音程もいいことが多いのですが、
たまーに高音の音程がめちゃくちゃ悪い人がいるんです。
本人は一生懸命そこに当てようと頑張っているんだけれど、どうしてもフラットしてしまいます。

だいたいこういう場合の原因は「鼻づまり」であることが多いんです。

これ、とても不思議なのですが、鼻がつまっている時には、内耳と外耳で聴こえる音が違うらしく、
実際に歌っている音は正しい音程よりフラットしているのに、
内耳では頭の中にある絶対音感にぴったり合う音を出しているように感じているらしいのです。
だから先生から「そこの音程フラットしてるからもっと上げて!」といくら言われても直せません。

これが「一時的に風邪をひいて鼻がつまっている」状態であれば、風邪が治れば音程も直ります。
ところが、慢性的な鼻炎であったり、蓄膿症だったりすると、
どんなに一生懸命トレーニングしても、音程がよくなりません。

まずは楽器である身体のメンテナンスをしないとその先へ進めません。

じゃさっそく耳鼻科へいって鼻づまりを治す薬を処方してもらえばいいの?
と思う人もいるでしょうけれど、
たいていの場合、すでに病院に行って薬を飲んでいる人が多いです。

つまり、慢性化しているだけで治ってない人が多いんですね。

鼻づまりの原因にはいろいろありますが、
実は腕や首の筋肉の使い方や、骨のズレが関係していることもよくあります。

生徒さんを何千人も観察したわけではありませんので、仮説として聞いて頂ければいいのですが、
「絶対音感を持っているのに高音がフラットする」タイプの人は、
「手の小指が短い」傾向があるように思います。
これは、幼い頃から鍵盤楽器を弾くことで、普通の人とは違う形の筋肉が鍛えられるために、
少しずつ歪みが生じていった結果、小指が短く見える、という状態だと思われます。

小さい頃からピアノやエレクトーンを習った人全員がそうなるというわけではありません。
おそらく弾き方の癖なども影響しているのだと思います。
その歪みが首回りの歪みとなって、鼻のまわりの血流や水分の流れが悪くなっている可能性があるんです。
だから薬を飲むことで一時的によくなっても、原因が消えていないので慢性化する人が多いと予測できます。

こういう生徒さんがいらっしゃって困っている先生も多いと思います。
これはいくら練習しても音程がよくなる可能性は低いですよね。
楽器(身体)のメンテナンスをしないでレッスンだけしていても意味がありません。

私のレッスンでは、こういう場合には、
腕や首、指のストレッチや、温泉に入ること、水分をたくさんとること、などをお勧めしています。
同じようなことでお悩みの先生は、ぜひ生徒さんの様子を観察してみて、
ストレッチを多めに取り入れてあげてくださいね。

[参考]サッカー選手の身体の歪みについてこんな記事もありました。
「足指を曲げるだけで重度の腰痛が解消?一流のアスリートたちが奇跡の回復」

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